平成25年9月1日に施行された改正動物愛護管理法改正のポイントは別ページにまとめました。
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動物の愛護及び管理に関する法律

1.「動物の愛護及び管理に関する法律」とは

この法律は、動物の虐待を防ぎ、動物を愛護することを通じて、命を大切にする心豊かな社会を築くことを目的としたものです。 また、ただかわいがるだけでなく正しく飼養することで、動物による人への危害や周辺への迷惑を防止することも目的としています。 つまり、「人と動物の共生する社会」の実現を目指した法律でもあります。 そのため、飼い主の責任や危険な動物の飼養規制だけでなく、ペットショップなどが守らなければならない基準なども定められています。

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2.法の成り立ちと歴史

現在の「動物の愛護及び管理に関する法律」のもととなっているのは、1973年に制定された「動物の保護及び管理に関する法律」です。 それ以前は、 動物の愛護や管理を目的とした総合的な法律はありませんでした。 犬による咬傷事故の社会問題化や、日本の動物愛護施策の遅れについて海外からの批判が相次いだことなどから、法制定に至ったと言われています。

これまでに大きく4回の改正を経て、現在の法律がかたち作られています。 1999年年12月に、「動物の“愛護”及び管理に関する法律」として改正され、名称も変わりました。 飼い主責任の強化や普及徹底、官民連携で飼い主責任をサポートするため民間の有識者を活用する「動物愛護推進員」制度などが導入。 このときにペットショップなどの動物取扱業に関する規定もはじめて導入され、業を営むためには届出が必要となりました。

2005年の改正で動物取扱業は現在のように「登録制」となり、より一層の適正化が図られることとなりました。 この改正では、マイクロチップなどの個体識別措置の推進や危険な動物の取扱いについても規定されました。

2012年の改正では、営利性のある業だけでなく、動物愛護団体など営利性のない動物の取扱いも、規模によっては規制対象となりました。 ペットショップなどの営利性のある業は「第一種動物取扱業」となり、これまで同様、登録制で管理されています。 営利性のないものは 「第二種動物取扱業」と呼ばれ「届出制」となっています。 なお、第一種動物取扱業のうち犬猫の繁殖や販売を行う者は「犬猫等販売業」と呼ばれ、新たな義務規定などが設けられました。 直近では2019年に法改正が行われています。

この改正では、

①動物取扱責任者の要件変更
②生体を販売する際の重要事項に関する取り決め
③生体管理帳簿
④幼齢の犬猫の販売制限(販売日齢の規制
⑤第一種動物取扱業者が守らなければならない基準の具体化方針
⑥マイクロチップの装着の義務化

など第一種動物取扱業に関する事項も多数決められています。

2019年改正法は3段階に分かれて施行されます。 ①~③は2020年6月1日から施行されます。 また④、⑤は2021年6月頃から、⑥は2022年6月頃からの施行が予定されています(2020年6月1日現在)。

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3.第一種動物取扱業者が知らなければならないこと

(1)ペットショップなどの営業には登録が必要

ペットショップやブリーダー、ペットホテルなどを営む場合には、都道府県知事や政令市長への登録が必要です。

登録が必要な「第一種動物取扱業」は下記の7業種です。 登録は店舗など事業所ごとに行いますが、ひとつの店舗で「販売」と「保管」など複数業種を実施する場合には、その業種ごとに登録する必要があります。

<動物取扱業に含まれる業種>

業種 業の内容
販売業 動物の小売や卸売、または販売目的で繁殖・輸入を行う業者
保管業 ペットホテルだけでなく、動物を預かりながら行う美容やペットシッターも含まれる
貸出し業 ペットレンタル業者やタレント・撮影モデルなどが該当
訓練業 動物を預かり訓練を行う業者。出張訓練業者も含まれる
展示業 動物とのふれあいの提供を含め、動物を見せる動物園や水族館などが該当
競りあっせん業 ペットオークション業者。インターネットによるオークションは含まない
譲受飼養業 老犬・老猫ホームなど、有償で動物を譲り受けて飼養する業者

 

登録するためには、一定の要件を満たさなければなりません。 例えば、動物の取扱いについて適切な知識や技術を持った責任者を事業所ごとに設置が義務 付けられています。 また飼養施設の構造や規模、飼育管理方法などの条件も定められています。 なお、登録の有効期限は5年間。有効期限を迎えるごとに更新する必要があります。

◯「動物取扱責任者とは」

以下いずれかの条件を満たす者を「動物取扱責任者」として事業所ごとに選任しなければなりません。

①獣医師もしくは愛玩動物看護師
②半年以上の実務経験(もしくは1年以上の飼養経験)および学校等の卒業
③半年以上の実務経験(もしくは1年以上の飼養経験)および資格
※「実務経験」は関連する動物取扱業における“常勤”の経験
※「1年以上の飼養経験」は、単なる飼養経験ではなく、半年以上の実務経験と同等と見なされるもの。

全国ペット協会が行う「家庭動物管理士」資格も、この「資格」の一つとして認められています。 ただし業務内容により必要とされる「資格」は異なります。 どの資格を取得すればよいかは、事業所の所在地を管轄する自治体にお問い合わせください。

なお、これまでは半年以上の実務経験だけで動物取扱責任者を選任できたため、2020年6月1日までに登録済みの事業者には3年の猶予期間が設けられています。 半年以上の実務経験で動物取扱責任者となっていた者は、3年以内に、資格の取得か学校等を卒業することが求められます。

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(2)ペット販売には事前説明が必須

動物の販売や貸出しにあたっては、事前にその動物の特性や状態について説明し、お客様に理解いただくことが、第一種動物取扱業者に求められています。 この説明は、文書(電磁的記録を含む)などで行うこととされています。 また、説明を聞き、その説明文書を確かに受け取ったあかしに、お客様から署名などをいただくこととされています。 一般のお客様にペットを販売する際には、この事前説明はお客様と対面で行わなければなりません。 ご購入いただく前に、販売しようとするペットの状態を直接見て確認いただく必要もあります。 さらに2019年の法改正で、事前説明は第一種動物取扱業の登録を受けた事業所で行うことが義務付けられました。

なお、法律には、説明しなければならない18項目が定められています。 当会では、法律にもとづき作成した説明書(確認書付き)を販売しています。ご利用ください。

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(3)ペットショップが守らなければならない基準

「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」や「動物取扱業が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」で動物取扱業が守らなければならない基準が定められています。 例えば、飼養施設等の構造や規模等に関する事項や飼養施設等の維持管理等に関する事項、動物の管理方法等に関する事項など様々な基準等があります。 以下に、2019年の法改正で変わったことを中心に解説します。

①動物の管理帳簿と定期報告

哺乳類、鳥類、爬虫類の取扱いには、生体管理帳簿の作成と保管が義務付けられています。 対象となる業種は、販売業だけでなく貸出し業や展示業、譲受飼養業です。 犬猫の場合は個体ごとに帳簿を作成する必要があります。 それ以外の動物種は、“品種等”ごとに帳簿を作成しなければなりません。 “品種等”は事前説明事項の一つに挙げられているもの。 この品種等はプライスカードで表示が義務付けられている事項でもあります。 記載する事項は以下12項目。パソコンなど電磁的方法による記録も認められています。

<管理帳簿に記録する12項目>
① 品種等
② 繁殖者名等
③ 生年月日
④ 所有日
⑤ 購入先
⑥ 販売日
⑦ 販売先
⑧ 販売先が関係法令に違反していないことの確認状況
⑨ 販売担当者名
⑩ 対面説明等の実施状況等
 (販売時および貸出時)
⑪ 死亡した場合には死亡日
⑫ 死亡原因

この帳簿をもとに、所有した動物の数や販売・死亡数などを月ごとに集計し、年に1度、都道府県知事等へ届け出る必要があります。 提出する書類は「動物販売業者等定期報告届出書」と呼ばれるもので、環境省令のなかで様式が定められています。 犬猫以外の動物種については、この報告書では、「その他の哺乳類」「鳥類」「爬虫類」ごとにまとめて算出します。 犬猫は、「犬」「猫」という区分でまとめて記載します。

②特定動物の飼養禁止

2019年の法改正で、2020年6月1日以降、特定動物の愛玩目的での飼養や保管が原則禁止となりました。 「特定動物」は、人の生命や財産に害を及ぼすおそれがあるとして政令で指定されています。 2019年改正で、特定動物同士や特定動物との交雑種も規制の対象となりました。 すでに許可を得て飼養している場合は、6月1日以降もその特定動物の個体に限って飼養を継続できる経過措置が設けられています。

③遵守基準の具体化

今でも、第一種動物取扱業が守らなければならない基準は定められています。 こうした基準等をできるかぎり具体的な記載や制限にしていくことが、2019年の法改正で決まりました。 公布から2年を超えない範囲で施行する(2021年6月頃の予定)とされています。

具体化が進められる基準として、以下7項目がリストアップされています。環境省ですでに検討が始まっています。

<具体化が検討されている基準リスト>
①飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造及び規模並びに当該設備の管理に関する事項
②動物の飼養又は保管に従事する従業者の員数に関する事項
③動物の飼養又は保管をする環境の管理に関する事項
④動物の疾病等に係る措置に関する事項
⑤動物の展示又は輸送の方法に関する事項
⑥動物を繁殖の用に供することができる回数、繁殖の用に供することができる動物の選定その他の動物の繁殖の方法に関する事項
⑦その他動物の愛護及び適正な飼養に関し必要な事項

④マイクロチップ

2019年改正法の公布後3年以内に、第一種動物取扱業者が取り扱う犬猫へのマイクロチップ装着が義務化されます。 装着だけでなく、情報の登録も義務付けられます。

義務付けは基本的にはブリーダーに課されることになります。 自らが繁殖した犬猫は、販売など他者に譲り渡すまでに装着し、情報登録しなければなりません。 繁殖用として手元に残しておく場合は、生後90日を過ぎたら30日以内にマイクロチップを装着し、装着から30日以内に登録するという流れが想定されています。

すでに飼育されている一般飼養者には、マイクロチップ装着の努力義務が課されることになります。

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(4)犬猫等販売業者が守らなければならない基準

①犬猫の引き離しは生後50日齢から(2021年6月頃からは57日齢から)

生後49日齢以内の犬猫は販売のための引渡しや展示ができません。 規制されるのは繁殖業者が引渡しなどを行うタイミング。 一般への販売だけでなく、業者間取引も禁止です。なお、生まれた日は0日齢でカウントします。 2019年の法改正で、2021年6月頃からは56日齢以内の犬猫は引渡しや展示が規制されることが決まっています。

②「犬猫等健康安全計画」の作成と提出

犬猫等販売業者は犬猫等健康安全計画を作り、届け出なければなりません。 当然、自ら策定したこの計画は遵守しなければなりません。 記入用紙は、環境省のホームページからダウンロードできます(附則様式(附則第4条関係))。

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(5)動物取扱業の登録などに関する窓口

動物取扱業の登録など、諸手続きについては最寄りの都道府県や政令市の動物愛護管理行政担当部局にお問い合わせください。

<担当部局の連絡先一覧> http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/3_contact/index.html