2023年に成立したフリーランス新法が、2024年11月1日から施行されます。法の正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、フリーランスとして働く人と企業間の取引の適正化、フリーランスの就業環境の整備を目的としています。

 この法律の対象は従業員を使用する企業と、企業から業務を受託するフリーランスです。例えば一般消費者がフリーランスに仕事を依頼する際は、対象外となります。フリーランス新法の施行により企業は、フリーランスに仕事を依頼する場合、下記のようなことが義務付けられるようになります。

取引関係の適正化

書面等による取引条件の明示

業務委託をした場合、「委託する業務の内容」「報酬額」「支払期日」等を書面などにより明示しなくてはなりません。

報酬支払期日の設定・期日内の支払い

発注した物品等を受け取った日から数えて60日以内の報酬支払期日を設定し、期日内に報酬を支払わなくてはなりません。

禁止事項

フリーランスを業務委託(政令で定める期間以上のもの)した場合、フリーランスに責任がないにも関わらず、
・発注した物品等を受け取らない
・発注時に決めた報酬額を後で減額すること
・物品等を受け取った後に返品する
――などが禁止されます。

就業環境の整備

募集情報の表示

広告にフリーランスの募集を行う際は、以下のことについて守らなくてはなりません。
・虚偽の表示や誤解を与える表示をしないこと
・内容を正確かつ最新のものに保たなければならないこと

育児介護等と業務の両立に対する配慮

業務委託(政令で定める期間以上のもの)について、フリーランスが育児や介護などと業務を両立できるよう、フリーランスの申出に応じて必要な配慮を行わなければなりません。
例えば、妊婦検診を受信するための時間を確保する、就業時間を短縮するーーといったことです。

ハラスメント対策に係る体制整備

フリーランスに対するハラスメント行為に関する相談対応のための体制整備(従業員への研修、担当者を決める)などの措置を講じなくてはなりません。

中途解除等の事前予告・理由開示

継続的業務委託を途中で解除したり、更新しないこととする場合は、原則30日前までに予告しなくてはなりません。

その他法律の主なポイントについては下記のリンクにある、動画やQ&A、リーフレットをご覧ください。
フリーランスの取引適正化に向けた公正取引委員会の取組 | 公正取引委員会 (jftc.go.jp)