研究課題名:イヌおよびネコの発達に伴う行動学的変化に関する調査
研究代表者:久世 明香(麻布大学 獣医学部 獣医保健看護学科 獣医臨床看護学研究室・講師)
以下の項目をお読みいただき、本研究への参加の有無をお決めください。
1) 研究の意義および目的、方法ならびに予測される研究の結果
[研究の意義および目的]
イヌとネコは、代表的な伴侶動物であり、国内の飼育頭数は15歳未満の子どもの数を上回っています。一般的には、生後8週齢以降に飼い主の元での暮らしが始まり、生後半年ほどで性成熟を迎え、その後思春期を経て、1歳半~2歳頃に社会的成熟を迎えます。この間に心身は大きく成長し、動物種に応じた習性を示すようになりますが、それらが飼い主やご家族を悩ますこともあります。適切に対応しなければ、より深刻な問題行動となり、動物と飼い主の関係性が崩れ、飼育放棄や安楽死につながることも懸念されます。本研究では、発達に伴う行動変化を追跡調査し、品種や飼育環境が困る行動にどう影響するかを調べることで、イヌやネコの適正飼養および問題行動の予防に貢献することを目指す。
[研究の方法]
一般社団法人 全国ペット協会との共同研究として、以下を実施します。
対象:全国ペット協会協力店よりイヌあるいはネコを購入した飼い主さま
方法:オンラインでアンケート調査を実施し、動物の一般情報(品種・月齢・性別など)、健康状態、飼育環境(散歩や遊びの時間、社会化の程度)、困る行動の頻度などを尋ねる。同一個体に対して、飼育開始時、飼育開始1週間後、3ヶ月齢、5ヶ月齢、8ヶ月齢、1歳齢、1歳6ヶ月齢時に追跡調査を行うことで、発達に伴う変化を調べる。各時期におけるアンケートの所要時間は、5分(飼育開始時~1歳齢)および15分(1歳6ヶ月齢)程度である。なお、個人情報や取得したデータの扱いなどについて研究説明書を用いて説明し、同意を得た上で、アンケートに回答いただくものとする。
今回の調査目的・方法に関して、さらに詳しい情報をお聞きになりたい方は、研究代表者まで連絡をくださるようお願いします。
研究代表者:久世 明香 Tel. 042-769-2759, arata@azabu-u.ac.jp
2) 研究者と研究期間
菊水 健史(麻布大学獣医学部動物応用科学科・教授)
茂木 一孝(麻布大学獣医学部動物応用科学科・教授)
永澤 美保(麻布大学獣医学部動物応用科学科・准教授)
研究期間 2025年4月1日~2028年3月31日
3) この研究に参加をお願いする理由と期待される利益
発達過程で生じるイヌやネコの困る行動は、成長とともに解消するものもありますが、より深刻な問題行動となることもあります。どのような時期にどのような行動が起こりやすいか、経験的な情報や海外での調査は存在しますが、国内のイヌやネコを対象とした大規模な調査はまだ行われていません。若齢時から定期的に行動の追跡調査を行うことが重要であるため、イヌやネコをお迎えした直後から定期的に調査にご参加いただける方を対象にデータ収集を行いたいと考えております。本研究により、困る行動への備えや予防に関する新たな提言が可能となり、イヌやネコとそのご家族のよりよい暮らしに貢献できることが期待されます。
調査はあくまで科学的な目的のために行われ、ご協力いただいた研究により、研究者や大学に経済的な利益等が生じることはありません。
4) この研究への参加に伴う危険または不快な状態
この研究では、定期的にアンケートにご回答いただきますが、所要時間は比較的短いものとなっています。また下記5)の通りデータを扱うため、参加に伴う危険はございません。
5) 個人情報や研究データの取り扱いと研究終了後の対応
本調査の依頼およびデータ収集は、全国ペット協会を通じて行うため、大学で飼い主さまの個人情報を取り扱うことはありません。アンケート調査において、飼い主さまに関わる情報を尋ねる設問がいくつか存在しますが、個人を特定できる設問ではありません。
アンケート調査の回答は、研究データとして扱い、本研究以外の目的では使用しません。研究成果の公表時には、統計的に処理された内容を公表いたしますので、個人が識別される情報として公表されることはありません。
今回の研究で取得させていただいたデータは、セキュリティで保護されたPC 内にて保管いたします。原則的に5年を目安にデータを破棄します。破棄する場合は、情報漏えいや情報復元を防止した形にて破棄いたします。
6) 研究への参加の任意性
研究への参加同意、及び同意の撤回は、自由に選択いただけます。研究途中でもいつでも同意の撤回を行い、研究を中止することが可能です。
7) 研究成果の公表
研究成果は、まず学会発表・論文での発表を通じて公表します。次に、一般の方向けにホームページや解説論文、書籍の執筆を通じて公表します。
8) その他
本研究は、麻布大学動物実験委員会の承認を受け実施しております。